ごくばん Vol.487 Montparnasse/Deli Alives e Fernando Costa('85)

6年前に購入した腕時計の時間がやたらと遅れ始める。つい先日まではほんの数十分の遅れだったのに、今日に至っては6時間も遅れているこの時計。perhaps,この時計だけ時空が異なっているのかもしれないと思い込むことにする中年。自分もこいつと同じようにゆっくりとした時の流れを楽しみたいものだが、同時に周りの物音がお笑いマンガ道場のお絵かきタイムの如く、超高音にて聞こえることであろう。音楽もね。
ごくばんは、ブラジルの女性ヴォーカルDeli AlivesとギタリストのFernando Costaによるセルフ・プロデュース名盤を。85年という時代ですが、過度にメロウに偏らない正統派ブラジリアン・サウンドが素敵な良質盤でございます。Deli Alives自身による上品ボサノヴァA1"Sohno Bom"、A3"Hey Moco"、そしてスリリングな高速サンバB5"Amor Pelo Sol"と自作曲の水準が実に高い印象であります。カバー曲においても、Ari Barroso作A2"Na-Baixa Do Sapateiro"、ジョアン・ボスコ作A5"Papel Marche"あたりのハイセンスぶりはさすがのクオリティ。