ごくばん Vol.435 Abandoned Luncheonette/Daryl Hall & John Oats('73)

ようやく激務に一段落がつき、金曜ながらも休暇をゲットするﾍﾛﾍﾛ中年。昼過ぎに自宅まで一般道をﾕﾙﾕﾙ下っていたところ、自宅近くにて車ごと身体が浮遊する感覚に襲われる。橋梁部にて付近を重機が走行しているかのような、あの感覚である。しかし、そのような車両も見当たらず、何が起きたのかと思う間もなく、突然強烈な横揺れがあたり一面を襲う。Ah!これは大地震や！と咄嗟にNHKラジオにダイヤルを合わせると、そこには今にも泣き出しそうなアナウンサーの声が、切羽詰った状況を緊迫感たっぷりに伝えている。震源が三陸沖だということは、こいつは相当なBig Oneだぞ、と思っているうちにさらに横揺れが強烈になり、付近民家の住民が家から外に飛び出してくる状況に。震源が遠い割には、これまでの人生体験でもトップクラスのゆれ方に、「おいおい」という声しか出せない情けない有様。揺れが落ち着いた後、命からがら帰宅すると、部屋中の色んなモノが床に散乱しており、誰も来ない部屋なのに隠してあったものまで、その姿を有りの儘剥き出しにしている。ああﾅｻｹﾅｶ。それらを徐に片付け、とりあえず朝から何も食べていないので食料品をゲットしようと近所のスーパーを訪れたが、地震の影響で既に閉店していた。緊急時に食料を確保できないプチ体験を41歳の春にして果たすことに。そして余震が日常の如く通り過ぎる早春は暮れてゆく。
ごくばんは、本ブログ初登場のホール＆オーツの73年作2ndを。70年代後期以降BES路線の先鞭を著ける好作品連発の、濃厚な1枚であります。まずはフォーキー・メロウなA3"Las Vegas Turnaround"。ｲﾝﾄﾛから沸き立つようなジワジワ感がたまらなく心地よい、傑作ミディアムで◎。さらに当時シングル・カットされ、全米60位まで上昇した名曲スローA4"She's Gone"、R&B色濃い優メロ好曲A2"How I Know You Better Then"、B1"Abandoned Luncheonette"等々、ソウル好きな貴兄を巻き込みつゝ、爽やかに纏まるナイスな1枚。一家に一枚。