極私的名盤 Vol.31 And In This Corner/Tom Lellis('81)

junpee2008-03-15

高校卒業以来、20年ほど電車等で移動する際には手放せなかった携帯音楽プレーヤーを最近はあまり使用しなくなった。5年ほど前までは、休日に買い込んだCD、レコードを並べ、酒を飲みながらカセットテープへ録音し、そのネタで一週間ほど電車の中等移動時に音楽を楽しむ、というサイクルがあったのだが、ディジタル・プレーヤーに移行してからはいくらでもソースの保存が可能なので、自分にとって現在新鮮味を感じる「旬」な音が何かつかめなかったり、曲順の妙味を味わえなくなったりしたことが(最近プレーヤーを使用しなくなった)原因のように感じる。それ以前に最近はレコードをほとんど手に入れていないのですがね…
今日のレコは、CD化もされ、かなり有名になってしまったジャズ・アルバムを。野口五郎風な風貌が印象的なトム・レリスが全編ヴォーカルを担当しておりますが、顔に似合わず男前なかっこいい歌唱が頼もしい限り。全体的にブラジリアンな開放的な明るさ・軽やかさを感じる楽しいサウンドが主であり、キース・ジャレット作のキャッチーなナイス・サンバA1"Lucky Southern"、サンバからビ・バップへの展開がかっこいい高速ジャズA2"E.S.P."、アーバン感覚溢れるお洒落なアレンジが粋な自作ナイス・ボサB1"One On One"、これまた自作の傑作高速サンバB3"Lluvia"と、爽快なサウンド連発で素晴らしい1枚。随所に登場するフルート&ヴィブラフォンの心地よい音色が効果的です。