去年の買いレコ Vol.232〜234 Feeling Free/The Singers Unlimited('75) Setting Standards/Phil Mattson And The P.M. Singers('85) Portrait/The 5th Dimension('70)

昨年の買いレコより3枚追加!いずれもハーモニーが美しくてうっとりしてしまう名盤。まずはシカゴで結成された4人組ヴォーカル・グループ、Singers Unlimitedの75年作。昨年Jazz SuburbiaシリーズでCD化されたほどの注目盤ですが、いきなりS.Wonderの名曲カヴァー"You Are The Sunshine Of My Life"で度肝を抜かれます。のっけの完璧なア・カペラで早くもノックアウト。言うことナシです。さらにスタンダードナンバー"On A Clear Day"、ブロッサム・ディアリー作"I'm Shadowing You"、そしてこれまた不朽の名作"Where Is The Love"とこれだけやってくれれば文句ありません。素晴らしい盤です。そして昨年の日記にも登場したPhil Mattson And The P.M. Singers。この人たちのコーラスも精緻でお見事。都会派ブラジリアンなアレンジに彼らのスキャットが冴え渡るA1"New York Afternoon"、ボサ・ノヴァのスタンダードを忠実かつ進化的にカヴァーしたA2"Desafinado"、シャッフル系フォー・ビートなアレンジがスリリングなB4"Jeanine"などまさに隙のないハイレベルな内容。さらに同系列なところから、フィフス・ディメンションの70年作を。まだ洋楽入門者だった頃彼らのグレイテスト・ヒッツを来る日も来る日も聞き続けていたことを思い出しますが、その頃から好きだったバート・バカラック-ハル・デヴィッドソン作の名バラード"One Less Bell To Answer"がいかにも秋系なしっとりバラードで泣かせますなぁ。そしてジム・ウェッブ作の夢見心地な傑作バラード"This Is Your Life"、ローラ・ニーロによる傑作ミディアム"Save The Country"etc...いやあ名曲だらけです。しかしその中でも突出しているのがラストを飾る"Dimension 5"。全編スキャットのみのジャズ、…というかバロック、…というかなんともカテゴライズの難しい作品なのですが、実に魅力的であり、最後まで緊張感たっぷりな名曲です。