ごくばん Vol.407 Artisan/山下達郎('91)

junpee2010-11-06

ヤマタツコンサート完結。期待以上に濃い高度な内容にTKOな一夜でありました。タツロー氏の迫力満点かつ繊細なヴォーカルに唸りつつ、バック演奏陣のハイレヴェルな超絶技巧に痺れぱなしのナイトであったわけで。揉み手しつゝ、噺家の如く名調子で過去の経緯等よどみなく語っている様を目の当たりにしながら、嗚呼これがまさしくかのタツロー氏なんだよ、と感慨に耽ってしまう中年。大ラスで語った氏のメッセージが自分の腹中と見事にシンクロしてしまい、益々納得してしまったコンサートでありました。また来年行きたいですねぇ。
ごくばんは、山下達郎の91年作を。タイトルの意味するところの「職人」というフレーズが、実にピタリとヤマタツ氏のイメージにはまってしまう、そんな名盤でございます。独特の沸き立つようなリズム隊・フレーズに支配されつつ、印象ポップな美メロが付された歴史的名曲M1「アトムの子」、しんみりメロウに染み渡るナイス・スロー曲M2「さよなら夏の日」、Trade Winds "New York Is A Lonely Town"を90年代東京に甦らせた、M5"Tokyo's A Lonely Town"、軽やかに高揚するバウンス・ポップM8"Mighty Smile"、当時FMで盛んに流れていた都会系AOR、M10「エンドレス・ゲーム」、そしてThe Rascalsの名曲カヴァーM11"Groovin'"と和やかな〆も完璧で。